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  想 い
 

       
10周年迎え、小泉武夫氏を招き発酵食品講演会

2014/10/1
あつぎ環境市民の会代表
井上 允     
レイチェル・カーソンの「Silent Spring』が世に出たのが1962年、日本語版が1964年に「生と死の妙薬」として出版(その後「沈黙の春」として再版)されて50年。日本では有吉佐和子氏が1974年から75年わたり「複合汚染」を朝日新聞に連載し、単行本が出版されて40年。私はこの2冊から強い影響をうけ、化学物質や農薬に特別な関心を持つようになりました。
 振り返ると、12年前に環境に関心を持つ仲間と環境活動の専門家を講師に月例の読書会を開き、話題の環境本をテキストに意見交換を行った貴重な経験と多くの仲間との出会いがあつぎ環境市民の会の発足へと繋がっていきました。
 11人の仲間が集まり、植物学が専門の故諏訪哲夫氏から様々なアドヴァイスを受けながら会則の検討を行い、平成16年4月、狩野光子氏を代表、筆者を副代表としてあつぎ環境市民の会が発足、”美しいふるさとを子どもたちへ”を掲げ、植物、エネルギー、化学物質、廃棄物など全方位を領域として、政策提言ができる力を備えた団体を目指しました。
 会員共通の活動として始めた「みんなの環境展」と大気汚染物質である窒素酸化物(NO2)の年2回の定点観測は現在も継続しています。
 平成23年3月の東日本大震災に起因する東電福島第一原発の事故から原子力発電への市民の関心が非常に高まる中、十分な情報が提供されない状況が続いたことから、原子力発電の安全性や存続の是非などを考える機会を提供する目的で、ドキュメンタリー映画上映や小出裕章氏の講演会を開催してきました。
 こうした活動を評価していただき、平成25年に神奈川県知事から「かながわ地球環境賞・奨励賞」をいただいたことは会員の大きな励みになっています。
 さて、いま私たちの関心は「食」に集まっています。世界から注目されている日本食。古来、地域に継続されている発酵食は農水産物を加工した保存食としてあるいは健康食として私たちの命を守ってきました。
 来る11月24日には、厚木市文化会館大ホールで会の発足10年を記念し、発酵学の第一人者小泉武夫氏を招き「健康をつくる発酵食品の神秘」をテーマに講演会を開催します。
 また、来年2月には今年オープンしたアミューあつぎで、「みんなの環境展」を開催予定です。私たちの活動の展示を始め、市民から募集する「私の自慢の発酵食品」レシピ展示、環境問題の専門家による公開講座、上映会など多彩な催しを計画しています。自治体、企業にも呼びかけ、みんなで環境を考えるウイークにしようと考えていますので、多くの皆さんの参加をお待ちしています。
 終わりに、ヨチヨチ歩きから、80名余を擁する会となった今日まで、温かく見守りご支援いただいた行政や多くの方々にここで改めて感謝申し上げます。

小泉武夫講演会(11/24厚木市文化会館)のご案内はこちら (PDF 614KB)

「私の自慢の発酵食品」レシピを募集のご案内はこちら (PDF 20.4KB)
  レシピ応募用紙(Word形式)はこちらからダウンロードできます。
  (内容が分かれば書式にはこだわらなくても結構です)

       
あつぎ里地里山フォーラム

2014/1/26

 厚木市は、市民共有の財産である里地里山の恵みを継承するため「里地里山保全等促進条例」を制定しました。里地里山の重要性を多くの方に理解していただき、連携・協働して継続的に保全と活用に取り組んでいくためにフォーラムを開催します。
 あつぎ環境市民の会では「美しいふるさとを子供たちに」の想いから日々の活動をしています。フォーラムに多くの方のご来場をお願いします。

とき:2014年2月1日(土)
ところ:厚木市文化会館小ホール
じかん:13:30~16:00(開場13:00)
申し込み:厚木市環境農政部環境総務課(046-225-2746)

チラシはこちら(外部リンクを開きます)

       
下水処理施設を見学
川へ帰る道のり知る

2013/9/11 みんなの環境 第35号より
松下泰行

 5月30日、9名で神奈川県公益財団法人の四之宮管理センターを見学した。ここでは毎日322,800㎥の下水を処理している。下水処理施設の役割としては大きく分けて4つある。川や海を汚さない。水を甦らせる。次に衛生的になるため、快適な暮らしや美しい街になる。最終的に残る灰をセメント等の原料に利用するように、資源として役立て、さらには下水道の設備が整うため、たとえ大雨が降っても安心である。

 実際に見学して、外観は想像したよりも綺麗であった。それは、処理施設が並行ではなく、ふれあい公園があり、かなり整備されていて驚いた。施設内部は作動しているにも関わらずに静かだった。一番印象が強いのが、下水から大きなゴミと砂、泥や野菜くずなどを取り除いた後に通る反応タンクである。独特のにおいを放っていたが、ポンプからの泡と水流、そして微生物の働きにより、下水が綺麗な水に変わることに衝撃を受けた。その後、微量の塩素を滴下し川へ放流する。
今回の見学は、以前から興味があったので私も会員もとても満足した。機会があれば、他の下水処理施設を見学して違いがあるのか知りたい。


       
食と環境の安全が危機
不自然な 遺伝子組み換え作物

2013/9/10 みんなの環境 第35号より
山本智子*

○ヨーロッパでは生産、流通なし
日本で初めて遺伝子組み換えした農作物を承認したのは1996年の「除草剤の影響を受けないダイズ」です。そして現在、国内での遺伝子組み換えの作物の栽培こそありませんが、ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ジャガイモ、綿、てん菜、アルファルファが輸入され流通しています。世界におけるこれらの作付け面積は日本国土の約1.8倍で、米国(ダイズ、トウモロコシ)、アルゼンチン(ダイズ)、カナダ(ナタネ)、ブラジル(ダイズ)、中国(綿花)が主な生産国です。一方、ヨーロッパでは厳しい規制でほとんど生産、流通もありません。
遺伝子組み換えとは、交配による品種改良とは違い、複数の生物の遺伝子を合体させて新しい生物を創造するものです。ダイズの場合、ダイズに除草剤に耐性を持つ性質を与えると、いくら除草剤をかけても雑草は枯らすけれどもダイズ自体は枯れずに収穫できます。その結果、効果的に除草剤が散布できるので除草剤の量を減らせるといううたい文句で売っている「ラウンドアップ」という除草剤に対しての耐性大豆が有名です。また虫が食べると死んでしまうコーンもあります。

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○利点は食料問題の解決?
遺伝子の組み換えの利点は、生産性の向上により食料問題の解決への貢献、消費者ニーズに沿った農産物・食品の生産が見込まれる等といわれています。しかし、遺伝子組み換え作物については世界中で賛否が分かれています。予期せぬたんぱく質の発生で38人の死者を出したトリプトファン事件(米国)やブラジルナッツの遺伝子を組み込んだトウモロコシを食べた消費者がアレルギーを起こしたり、いくつもの事故が報告されています。また従来種との交配で予期しない新種の作物ができる可能性もあります。生態系の破壊の危険も孕んでいます。さらに遺伝子組み換え作物を自分でタネを取ることができないようにすることで、農家は毎年新しくタネを購入しなければならず、その資金のやり繰りで破産するケースも報告されています。巨大企業のエゴがまかり通るようになってきています。

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○明確な表示の義務付けを
ところで、日本での私たちの食生活にダイズは欠かせない食材です。豆腐や納豆などを買う時、多くの方がパッケージの裏を気にしているのではないでしょうか。「この製品は遺伝子組み換えの大豆を使っていません」との表示は安心の印です。しかし、この表示にも問題はあり、「組み換えでない」表記でも重量で5%未満の遺伝子組み換え作物の混入は許されています。表示義務のない油や少量の調味料の正体は消費者には分からないままです。消費者が安心な食生活を送れるように、選択にあたり明確な表示を義務付けてほしいところですが、これも簡略化の方向であるらしく、私たちは知るすべもなく不安なものを口にするしかないことに怒りを感じます。
目先の経済優先政策により、食と環境の安全が危険にさらされていることに多くの人が気づき声を上げない限り現状を追認することになります。食をめぐる大変に重要な問題提起の映画「世界が食べられなくなる日」の上映に多くの方の参加を期待します。


*(やまもと ともこ あつぎ環境市民の会 厚木市在住))

       
立ち上がる女たち ~“みんな”が生き抜くために~

2013/5/6 みんなの環境 第33号より
森田哲也*

 1980年代の初頭、鳥取県青谷町に中国電力による原発立地計画があった事を最近になって知った。私が故郷(青谷から20㎞)にいた中学生だった当時、何も知らなかったし、ほとんど語られてこなかったとはいえ、自分が本当に情けなくなる。
 原発の立地は、「あれは本当に危ない、ふるさとを、子供達を守らなければ」と地元の気高郡の連合婦人の会が結束して立ち上がり、その方達が中心となって運動を起こし阻止されたのである。
 一方、青森県大間というところでは、たった1人で闘っている女性がいる。小笠原厚子さんである。毒性が強く、制御が難しいMOX燃料を最大100%使う、世界で初めての原発を建設しようとしている電源開発会社に厚子さんのお母さんである熊谷あさこさんは、大金を積まれようが、毎日 えげつないいやがらせ、村8分状態に追い込まれながらも、絶対土地を売らなかった。お母さんが亡くなったいま、長女の厚子さんは炉心から100mの所に『あさこはうす』と呼ぶログハウスを建てて、闘っている。先日、彼女が講演される前に話かけた私の手を「若い人たちが立ち上がってくれて、本当に心から感謝しています」と両手で手を握りながら笑顔を絶やさなかった。笑顔だが忘れられないその瞳は悲しみに溢れてそうだった。「あさこはうす 発展プロジェクト」が始まります!
http://asakohausu.cocolog-nifty.com/blog/
 *(あつぎ環境市民の会、厚木市林在住)

       
子どもたちに残そうきれいな水
――南毛利、玉川公民館講座要旨――

2013/5/6 みんなの環境 第33号より
建部美枝子*
蛇口をひねるといつも水が出てくる

 皆さんは思っていませんか。安全だと信じていませんか。地球は水の惑星と言われていますが、そのほとんどは海水97.4%です。陸水(氷河・地下水を含む陸地の水)2.60%、人間が利用できるのは、天水(大気中の水)0.001%です。日本は山が80%をしめているため、水のおいしさ、量は、世界一です。安全と水は保証されている国と言われています。果たしてそうでしょうか。(平成21.22年 環境年表より)

水道水は、安心して飲めるでしょうか?

 皆さんの中に、我が家はミネラルウオーターの水を飲んでいるから安心ですと言う方もいらっしゃるでしょう。このミネラルウオーターも基準は清涼飲料水なみの基準だそうです。自然が豊であれば水を買うこともなかったでしょう。上流に住んでいる人が使った合成洗剤や農薬なども、下流の水道水に入って来ます。合成洗剤はガンになる働きを助けるので傷ついた細胞が親から子へと受け継がれる遺伝子の毒なのです。

水の汚染は、ある程度人間の力で改善

 水を使えば汚れることを、心がけて使うことだけでも水質汚染を防ぐ事が出来ます。洗濯をするときは洗剤を少なめに入れましょう。食器を洗う前にペーパーで油を拭き取り、良く水で流すなど気をつけましょう。石けんと合成洗剤の違いや、表示の見方、特徴、合成洗剤の人体への影響を考えましょう。石けんと相性の良い安全な洗剤が、重曹クエン酸です。値段も非常に安価です。是非皆さんも使ってみてください。(2012年シャボン玉フォーラムin東京より)



命をつないでいく

 命を豊につないでいくことは、今現代を生きる私たちに科せられた責任です。1970年代より、深刻になっている湖や河川の自然環境汚染です。次の世代を担う子供達に美しい地球環境を渡せるように行動をしなければなりません。命の水をよみがえらせ、是非皆さんも、水に関心をもっていただきたいと思います。
*(あつぎ環境市民の会、厚木市妻田在住)


       
自然エネルギーの活用
――スモールソーラー電源の利用――

2013/3/4 不破穣一

 地球温暖化抑制が叫ばれるようになってから、化石燃料消費を減じ、風力、地熱、太陽エネルギー等の再生エネルギーへの転換が計られてきた。さらに近時では原子力発電を無くす為にも、自然エネルギーの利用を増大させようとする活動が活発化している。
 身近なところでは、家屋の屋根にソーラーパネルを設置して発電電力を自家利用し余剰分は電力会社に引き取らせる方式が法制化され、普及しつつある。太陽光発電については、このような中規模発電が拡大するとともに、メガソーラーと呼ばれて大規模発電が企業における事業レベルで設置が進みつつある。
その一方で、小規模太陽光発電は、必要に応じて(例えば遠隔地での小エネルギー供給)産業用途には用いられている。
 家庭における中規模太陽光発電の実施に当たっては、通常200万~300万円の資金を必要とするため、誰でも何時でもというわけにはいかない。そこで家庭での小規模ソーラー発電を行い小さい負荷(例えばパソコン(30W前後)、卓上スタンド(LEDで10W前後)、コンパクトステレオ(約30W以下で各種)、各種小規模機器(例えば携帯電話、シェーバー、デジカメ、携帯音響機器等)の二次電池の充電等)に利用すれば、電力会社からの買電量を減じさせることかできる。さらにこのソーラー発電は、緊急時の小電力電源としても役立つと考えられる。
 私が近時利用を始めた、この小規模電源の構成(ブロックダイヤグラム)と実物写真を示す。上記した各種機器は実際にこのソーラー電源で動かしており、二ヶ月余問題はない。いづれも小さい負荷であり、電力料金への寄与は残念ながら大きなものではない。計算上はまだ負荷を増加させられるので、さらに多くの機器をつなごうとしている。
 現用品はメーカー製のコンポーネントを集めたセットとして、販売されているものであるが、これに手を加えてさらに高効率なセットに出来ればと思案中です。


       
生物季節を記録し、みんなで報告を
(みんなの環境 第31号より)

青砥航次

 佐渡では野外に放されたトキが猛禽類に襲われたと言うことで、この冬何羽かが傷ついて再びケージに収容されました。原因は、渡り鳥が少なくて猛禽(ワシ・タカ)類が餌に困っているからとのことです。今年は我が家周辺でもまだツグミを見ていません。(2012.1.29)
 自然の状況は同じようでいて年々変わっています。ある年だけの特殊なことなのか、長い年月の間に徐々に変わっていることなのか知ることは私達の将来を知る上で意味があることだと思います。
 厚木市では、一昨年から生物多様性地域戦略策定のための委員会を立ち上げ検討を進めています。その中で、市民がもっと身のまわりの自然に関心を持ってもらうようにするにはどうすればいいかということも話し合われています。
 この欄で提唱している生物季節を記録してみんなで報告し合うことはとても良いことだと思うのですが、如何でしょうか。

       
たたみ屋 植田さんのこと(みんなの環境 第31号より)

長嶺倫子*

 昨年の春、当会の山上義明さんからの情報で、藤野の里山長屋プロジェクトの見学に参加した。(http://blog.canpan.info/nagaya)そこで畳屋の植田さんを知った。
 9月に、我が家に新しい家族が増える予定があったので、畳の張替を無農薬、減農薬の国産いぐさにこだわった畳にしたいと調べると、植田さんは我が家のある同じ横浜であった。縁を感じお願いした。
 納品の際、植田さんは「測っておきました」とこともなげに言った。「測る」とは放射線量のことである。話を聞くと、すでに測定器を3台購入し、自主的にいぐさを測っているということであった。そして「もうすぐ建材(コンクリート)も問題が出てきますよ」とその時おっしゃっていたが、いままさに問題となっている事象である。
 お客さんの健康を考え、何もいわずに測ってくださったその行為に私は心から感謝するとともに、主体的に放射線量を測り、自身が出荷する畳に対して責任を持ち、その先の危機管理にアンテナをはるプロ意識に私は感銘を受けた。目立つ事がなくても静かにお客さんの健康を守るという、そのプロ意識の根底には、人が安心して幸せに暮せるようにはどうしたらよいのか、常に問い続けている植田さんの人としての「優しさ」が感じられた。
 安心して幸せに暮せる生活はどうしたら実現できるのか。答えはひとつではないと思うが、「国」や「行政」といった主体が見えないものへの依存ではなく、問題意識をもち、一市民としてできることをきちんとやる、そういった主体的な生き方をするひとりひとりの個人が集まることで、はじめて形を成していくのではないかと思う。(H24.1.31)
(*ながみね のりこ あつぎ環境市民の会 横浜市在住)

       
ひまわりソーラークッカー研究会
昨年の成果と今年の活動計画(みんなの環境 第31号より)

不破穣一

 ひまわりソーラークッカー研究会では既に10年余に亘って、太陽自動追尾機能を持たせたソーラークッカーの研究を有志のメンバーが集って行ってきました。昨年も、あつぎ環境市民の会の皆さん他多くの方のご支援のお陰で、一定の研究成果を上げることが出来、最初の試作機であるA-1型機の改良機として、A-2型機を組み上げることができました。まだ完全なものとは言えませんが、スムーズな追尾動作と天候に強い電装部を組み込みました。この試作機は昨年6月の「みんなの環境展」2011に始めて出展させていただきました。そして多くの来客の方に、自動追尾機能を持ったソーラークッカーは便利そうだとの印象を持っていただけたのではないかと思っております。毎年「みんなの環境展」を見て下さっている方からは、新しい試作機では何処がどのように改良されたのかと、厳しい質問も受けました。さらに10月の「あつぎ環境フェア」にも、あつぎ環境市民の会の出展ブースに出展させていただき、天候の関係で実演は叶いませんでしたが、ここでも多くの観客の方に太陽自動追尾クッカーの価値を説明することが出来ました。
 今までの多くのお客さまの声から、さらに安い価格の装置にする必要を感じています。前年からこの課題に取り組み始めており、今年はこの課題を実現すべく、新しい集光ミラーと従来機と異なる太陽自動追尾機構による試作機を完成させたいと、メンバー一同意気込んでおります。さらにはA-2型機を用いて、太陽自動追尾機としての基本性能確認として追尾精度の測定を行うべく計画しております。
 

       
これからのNO2(二酸化窒素)測定(みんなの環境 第31号より)

松下泰行*

 昨年12月1~2日の24時間、厚木市内34地点で、NO2測定のため捕集管を設置・回収を行った。会の発足時から続けているが、昨年6月からは神奈川工科大学応用化学科の斎藤研究室と連携し、今回は二回目である。結果は交通量の関係により濃度は高くなる傾向であった。

 今回の測定と研究室の教授との相談により、今年から測定ポイントを変更する。今回までは範囲約500m間隔で十字に20地点、残りは測定者が調査したい場所で測定したが、次回から厚木市内ができる限り入るように調整したポイントで測定する予定で測定地点を検討中である。

 また、昨年から捕集管が変更し大きくなったため、悪戯されたり紛失されたりする問題点が生じてしまった。今までは小さかったのでわかりにくく悪戯されにくかったが、容積が従来品の約4倍でアルミ製の袋(風・日除け)と一緒に吊るすため目立ちやすくなったのが原因である。この点の対策は考えなくてはならないが、まずは地域の人にこの測定をもっと知ってほしいことであると、私は思う。そうすれば、問題の解決法に少しでもなるだろうし、もしかしたら協力的になるかもしれない。

 個人的になるが私は昨年から会に参加し、NO2測定は学んだことを生かしていると思うし、新しい捕集管になるが会発足時から行ってきたので、続けて変化をみてみたいと思っている。(H24.1.31)
(*まつした やすゆき あつぎ環境市民の会 厚木市在住)

       
13階病室で感じたこと(みんなの環境 第29号より)

髙橋弘毅

 空調の整った建物13階に11日間入院生活体験した。雨風など自然の刺激が無くなり、患者様扱いで、頭洗いもやって貰える等、甘え体質人達も多いようだ。生活に不便なことやめんどうなことは全てあなた任せで、社会や行政などに頼るのが当たり前になっているようだ。

7月初めの朝5時頃、数日間観察したところ、窓際や非常階段の踊り場には、クモの巣や鳥の糞もなく、窓枠の庇にバードストライクによると思われる約3㎝長茶色斑の羽根が2枚ほど見受けられた。後日、窓ガラスに鳥の衝突を見たこともあった。

柱の上部2ヶ所に20㎝径位のクモの巣があり、その下部には小さなクモ糞&ウンカの死骸が確認された。ここのクモは風に乗って上昇してきたと思われるが、餌もやっぱり風で来たウンカであろう。餌のない環境には虫も棲まないと実感した。

病室からの視界に田圃や梨・葡萄畑が70枚ほどあるが、朝5時~6時半頃シロサギ、アオサギが4羽飛来し、降りる田圃は6枚に決まっている。5羽目が飛来しても餌も漁らず3~4分でどこかに飛び去ってしまう。この田圃以外に降りないのは、農薬などで生きものが居ないからだと思った。5羽目以降の飛び去りは、縄張りの関係か?先客優先権があるのか…? 互いを尊重するのは見習う必要を感じた。都会の高層マンションの生活に慣れ、自然に触れる機会が少ない人は、自然環境(生物多様性)の恵みに支えられているのに、それを意識せずに生活をしているから五感が鈍くなっているように思う。

上質生活は、自分で考え行動する中にあるもので、顔の見えない各種ネットの情報に惑わされないように情緒成長が大切だな。入院生活の中で感じた。 (H22.10.9)


想い’10