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  想い’08
 


街の自然
庭に来るヤマガラ




 ヤマガラは、すぐ人慣れし好奇心旺盛です。この時期、野外に昆虫などのえさが少なく、おなかをすかしています。早朝、好物のヒマワリの種を見せると、すぐ手の上に乗ってきます。
(写真と文:長岡 恂)

生物季節を記録しよう
2月の自然

 
 まだ寒い日は続くものの、冬至を過ぎてから一月余り、日はだいぶ長くなり太陽高度も増してきました。この頃を光の春と言います。日だまりでは春の草が背丈は伸びないものの青々と茂り本格的な春へスタンバイしています。虫たちの活動はこれからですが小鳥たちの活動は活発になり始めます。ヒバリやシジュウカラの囀りが良く聞こえるようになります。
 2月2日、林5丁目の我が家ではヒバリの初鳴きを聞きました。上空を飛ぶカワウの腰に白い模様がはっきり見えました。繁殖OKと言うことでしょうか、この季節だけ見られる模様です。2月3日はシメが隣の空き地でのんびり時を過ごして行きました。餌台を設置するともっとたくさんの野鳥に居ながらにして出会うことが出来るでしょう。オオイヌノフグリ、ホトケノザ、タネツケバナ、カントウタンポポの開花も始まっています。

 あなたの見聞きしたものを教えてください。@見たり聞いたりしたもの。A場所(市内だったら地名○丁目ぐらいまで)Bお名前・連絡先(場合によっては確認のためお訊ねする事があるかも知れません。発表する時、個人名は匿名にします。)ここに掲載するデータは、紙面の都合で取捨選択させて頂くことはお許し下さい。
 情報はFAX(046-222-2356)またはメール(kohji.aoto@nifty.com)で青砥航次へ


生物季節を記録しよう
10月の自然

 
 近所で見る場所がないヒガンバナを今年初めて見たのは、9月10日、山北あたりでした。厚木ではいつからだったのでしょうか。ここのところ、わが家では自生状態で茂っているシソが花盛りで、近くに行くと虫の羽音がこんなにもするものかと思うほどにぎやかに聞こえます。
 10月になると、はじめの頃は先月話題にしたキンモクセイの香りが漂っています。
 大きなイチョウの木があるところでギンナンが落ちて、ある人達にとってはたまらない臭いを振りまくのはいつ頃でしょうか。
 初旬は、鷹の渡りの時季です。高取山や鷹取山の地名は昔は取るところ、今は観察のポイントです。そのような名前でなくても、飯山白山では毎年見に通っている人もいると聞いたことがあります。昔に比べると随分少なくなったようですが。このようなところでは、併せて、ツバメの渡りも見ることができます。鳥と言えば、中旬過ぎにはシベリヤ方面からの冬鳥が到着します。
 手入れの悪い自転車のブレーキ音と間違えるような、ヒッ、ヒッと言うような声が聞こえれば、ジョウビタキです。雄は背中が黒く羽根に白い斑点があり、お腹がオレンジのきれいな鳥です。また、冬鳥のツグミが見られるのは10月下旬から11月はじめです。

11月の自然
 
セイタカアワダチソウの黄色が目立ち始めました。虫媒花のこの花が花粉症の原因というのは誤解で同じような所にある風媒花のブタクサが犯人と言われています。それにしても一面を黄金色に彩るこの花は外来種であることに問題があります。
 話は変わりますが、10月中旬に北海道に行ってきました。鮭の遡上が見たかったのですが、今年はどこも川の水温が高いとかで余り見られないと言うことでした。ここにも温暖化の影響があるようです。
 ところで11月に気をつけて見たいのは初霜です。昔は文の日を過ぎる頃だったような気がするのですがどうでしょう。朝寝坊の方でも初霜のあとはサトイモやサツマイモなど南方系の植物の葉が教えてくれます。終わりの記録は難しいのですが、コオロギの仲間の声が聞こえなくなるのもこの頃ですね。
 9月から10月の記録/9/29 キンモクセイの香り(林4丁目) 9/30 イワツバメ終認(三島市) 10/7 アブラゼミ鳴く(及川) 10/24 ヒバリの囀り・アマガエル鳴く(林5丁目)(08/10/24記)ジョウビタキの来訪10月28日(林4丁目) 例年より少し遅かったようです。

 あなたの見聞きしたものを教えてください。@見たりたり聞いたりしたもの。A場所(市内だったら地名○丁目ぐらいまで)Bお名前・連絡先(場合によっては確認のためお訊ねする事があるかも知れません。発表する時、個人名は匿名にします。)ここに掲載するデータは、紙面の都合で取捨選択させて頂くことはお許し下さい。 情報はFAX(046-222-2356)またはメール(kohji.aoto@nifty.com) で青砥航次へ。


街の自然
だれが放したか  アカボシゴマダラ



羽化直後のアカボシゴマダラ(08-9-19厚木市)
 今年9月、見慣れないチョウが羽化した。エノキの葉陰にサナギがあるのはかなり前から気が付いていた。
 美しいチョウの出現にびっくりしたが、このチョウ、日本では奄美など南西諸島にしか分布しないもの。
 地球温暖化の影響か?と思ったが、よく調べると思わぬ事実がわかってきた。
 藤沢市付近で放蝶(放虫ゲリラ)されたのではないかと言われている。この中国大陸産のアカボシゴマダラが、ついにわが家の周辺でも繁殖始めたようだ。この近辺でも普通種になってしまうのだろうか。
 急激に分布拡大しているようだが、やはり外来種は外来種、この先どのような影響が出てくるのか心配だ。
(写真と文:長岡恂)


会員のエコアンケート集計

 こちらをご覧下さい。 閲覧される方の参考になれば幸いです!


生物季節を記録しよう
9月の自然


 今年の夏の我が家で聞こえるコオロギなど虫の鳴き出しが一週間ほど早かったようです。
 9月です。田んぼの畦などを彩るヒガンバナはいつ咲くでしょうか。お彼岸前後に咲くのでこの名前がありますが、早いときは9月3日に咲いた年もありました。
 ヒガンバナは探しに行かないと分からない場合が多いです。その点、キンモクセイは咲けば香りが漂うので気づきやすいと思います。9月の半ばぐらいから気をつけていましょう。
 難しいのは、いついなくなったかを記録することです。ツバメはまだいるでしょうか。
 ツバメやイワツバメは8月の終わり頃一旦見えなくなるのですが、9月の終わりから10月の初め頃までは、上空を飛ぶのを見ることがあります。きっともっと北の方にいたものが帰る途中なのでしょう。 ただし、厚木にはヒメアマツバメが一年中いるので、渡りをするツバメとは見分けてください。ツバメは腹が白いのですが、アマツバメの仲間は黒いことでわかります。もっとも渡りをするヒメが付かないアマツバメ、ハリオアマツバメを見ることもあるのですが分かった方はお教えください。
@見たりたり聞いたりしたもの。A場所(市内だったら地名○丁目ぐらいまで)Bお名前・連絡先(場合によっては確認のためお訊ねする事があるかも知れません。発表する時、個人名は匿名にします。) 情報はFAX(046-222-2356)またはメール(kohji.aoto@nifty.com) で青砥航次へ。


市民参加   〜環境と文化〜
ラペンダーの手入れとクラフトづくり


 “文化会館周辺にラぺンダーが植えられているのをご存知ですか?
 農大の人間植物関係学研究室宮田先生のご指導を受け、学生さんと共に恒例の香りの文化に親しみながら、嶋本先生のラペンダークラフト作りを行いたいと思います。
 酷暑の折ですが、多くの方のご参加をおまちしております。”
との案内文の元、われらが仲間・中倉マキ子さん(草の香りの会)が市民の参加者を募って催された。

 2008年7月30日(水)、市民参加30名と農大宮田教室学生30名は東京農業大学農学部バイオセラピー学科・宮田正信先生によるラペンダーの手入れ方法の指導により、小田急高架下周辺の手入れをしながら刈り取り。 嶋本静子先生のクラフト指導を会館内で広い世代の人と楽しく受けた。


生物季節の記録を取りませんか
第15号(2008年3月19日発行)

 我が家の庭ではユキヤナギの芽がふくらみ、気の早いのが1,2輪咲きました。実はこのユキヤナギ、1月の「みんなの環境展」の際ギャラリートークでお見せしたようにあの時点で緑の葉がたくさんついていました。2月の寒さを通り越してもまだ緑の葉が一部残っています。

 今年は平年並みと言うことですが去年は異常に暑い年でした。地球温暖化と言われますが自然というのは一筋縄ではいかないもので冬を見れば暖冬のこともあるし、そうでないこともあり一概には言えないと多くの人は思います。そこで暮らしている私たちには、毎年の変化をその場その場で感じるだけですが生物の世界はそうではありません。
 例えば冬越しをしている虫にとって0℃が耐える限界だったとしましょう。それより低い温度になったときには、次の年には見られないことになります。逆に、たまたま暖かい地方から飛んできた虫がその冬の最低温度がある温度以上で生き抜くことができると、春から見られることになり、更に寒い地方へ分布を拡げる足がかりを得る事になります。昨年ナガサキアゲハは福島県でも見られたそうです。
 数年前には珍しかったツマグロヒョウモン(写真)は厚木では普通の蝶になってしまいました。夏の暑さはしのげる場合が多いのですが、冬の寒さは生物にとって決定的な影響があります。
 冒頭の我が家のユキヤナギが常緑樹化していることは、そのことによってこれに依存している他の生きものにとっても何かの影響があるかも知れません。

 神奈川県から「わたしたちの環境――かながわ環境白書 平成19年版」が出ました。そこに次のようなグラフが出ています。
 1961年から2006年までの横浜地方気象台での最低気温のグラフです。見れば分かるとおり最低気温は着実に高くなっています。年を取ると昔は霜の日がもっと多かったとか、雪がたくさん降ったとか思うわけですが、このグラフから納得出来ます。そして思うことはこれが生物の世界に関係ないはずはなかっただろうということで、今まで見られなかった蝶が普通になったのは当然と思うわけです。
 気象台は自然の記録を着実にとり続けるのが仕事です。そしてその記録が気候の変動を証拠づけたとしてもそれが分かるのはあとから振り返ったときです。


1961〜2006年までの横浜地方気象台での最低気温のグラフ

 地球温暖化が大きく取り上げられ、私たちはこれと真剣に向き合わなくてはいけない今、まだまだ現実味が薄いと思う人が多いのは事実です。でも自然界の動植物たちは正直です。この生きものたちの様子に目を向けて何を語りかけているのか見て取り、聞き取る事によって感じることは多いのではないかと思います。
 そこで、提案したいのが「生物季節」の記録をとることです。草木の芽吹き、開花、虫の出現、鳴き始め、渡り鳥の去来など、この厚木市内で季節に関係ある生物の様子を記録し公開して行くことです。
 賛同される方は「いつ」「市内のどこで」「何を」「見た、聞いた」かをお知らせください。それらをまとめてこの会報「みんなの環境」で報告・発表していきます。
 多くの目で見れば、その時々びっくりするような事もあろうし、また記録の積み重ねにより気象台に負けない市民の記録になるでしょう。何よりも多くの市民が気候の変化を身近なところから感じる事につながっていくことができれば会の活動として意味あることになっていくと思われます。
 記録の送り先 ……… FAX 046-222-2356 Eメール  へ。

(青砥航次)



温暖化の時代。暑さに慣れる身体作りも必要!?
第11号特集版(2007年9月30日発行) 青砥航次

 夏は暑くなければと、やせ我慢をしてクーラーのない家で暮らしています。
 数年前、ヨーロッパを熱波が襲い数百人の死者が出て、お年寄りが多かった記憶があります。日本では暑さで大勢の人が死ぬなんて考えられないと当時思ったものです。
 ところがこの夏、記録を更新するような暑さが続いて、熱中症で亡くなられる方も少なくないような報道です。最近の日本ではエアコンが普及していて、熱中症の危険は忘れていられます。そのせいか日本人の身体は暑さに弱くなってしまったのではないでしょうか。
 暑さに弱い身体になってしまったのに、気候の方は温暖化が着実に進んでいるようです。
 グラフは真夏日(気温30℃以上の日)が神奈川県内でどう変わってきたかを表しています。上の二本の線は横浜と海老名で、ヒートアイランド現象の影響が現れています。下三本は、小田原、三浦、辻堂です。ここは海風の影響がありヒートアイランド現象はないと見ていいでしょう。どちらも同じ傾きで増加傾向と言うことは温暖化が進んでいるに違いありません。 今年、IPCCの第4次報告が出されましたが、最近のデータはこの報告で言うよりも温暖化は深刻かも知れません。
「北極海:氷の面積が減少…観測史上最小に」8月16日毎日新聞ほか。
 これによると温暖化はIPCC予測の2040年〜2050年レベルまで進んでいるということです。こうなると、温暖化防止に努力するのは当然ながら暑さに強い身体づくりも大事なことではないかと暑い日盛りのなか思うわけです。